プレミアムZ Ladyを比較・評価

チューリッヒ生命 プレミアムZ Lady
オススメ度:
3
保険会社:
チューリッヒ生命
名称:
プレミアムZ Lady
加入年齢:
0~80歳
保障期間:
終身
保障内容:
入院・手術等で給付金
特徴:
女性特有の病気やガンを手厚く保障

終身医療保険プレミアムZ Ladyは、チューリッヒ生命が2022年6月から募集・販売している保険です。以前のプレミアムDX Ladyをリニューアルした保険で、リニューアル後も特定疾病延長入院特約の新設などの改定が度々行われています。

また、この保険は女性専用の保険ですが、男性でも加入できるプレミアムZという保険もあります。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。

保障内容

この保険は入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金・骨髄ドナー給付金が主契約となり、入院・手術・放射線治療・骨髄ドナーとなると給付金が受け取れます。主契約以外の保障は特約で付加することになり、入院一時金特約・8大疾病延長入院特約・ストレス性疾病延長入院特約・先進医療患者申出療養特約・特定疾病保険料払込免除特約・特定疾病一時金特約・女性総合疾病特約などがあります。

終身医療保険プレミアムZ Ladyの保障内容(出典:チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ Lady 通信販売用パンフレット)

入院一時金特約は入院した時、特定疾病一時金特約は三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)で入院・手術を受けた時に一時金が受け取れます。8大疾病延長入院特約は八大生活習慣病での入院は日数制限が無制限となり、ストレス性疾病延長入院特約はうつ病などの精神疾患での入院は365日まで延長されます。先進医療患者申出療養特約は先進医療・患者申出療養が2000万円まで保障され、特定疾病保険料払込免除特約は三大疾病になると保険料が免除されます。

プレミアムZ Ladyの特長である女性総合疾病特約は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ型に分かれています。Ⅲ型には女性総合疾病入院給付金・女性総合疾病手術給付金・女性総合疾病放射線治療給付金が付いています。これらの給付金は女性特有の病気・女性に多い病気になると、主契約の給付金に上乗せされます。さらに女性特有ではないがん(胃がん等)や心筋梗塞・脳卒中といった身近な病気でも上乗せの対象となります。

終身医療保険プレミアムZ Ladyの女性総合疾病特約の保障内容(出典:チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ Lady 通信販売用パンフレット)

Ⅱ型だとⅢ型の保障に加えて女性総合疾病入院一時金が付いています。この一時金は入院日数に関わらず受け取れるため、まとまった金額の給付金が入院日数が数日でも受け取れます。例えば子宮筋腫で2日の入院をした場合、入院給付金・女性総合疾病入院給付金が共に5000円なら受け取れるのは2万円(手術すれば手術給付金で10万円も受け取れる)です。入院一時金があれば2.5万円が受け取れるため、入院の保障だけで4.5万円が受け取れます。

さらにⅠ型だと特定不妊治療支援給付金・出産祝金・女性無事故給付金が付いています。特定不妊治療支援給付金は体外受精・顕微授精をすると受け取れ、出産祝金は出産をすると受け取れます。女性無事故給付金は契約してから10年毎に女性総合疾病特約の対象となる病気にならなければ受け取れます。仮に病気になったとしても受け取った入院給付金等を差し引いた女性無事故給付金が受け取れます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は年齢・入院給付金額・特約の有無等で変動します。契約時から支払う保険料は変わりませんが、契約時の年齢が高いほど保険料は高くなります。保険料払込期間は終身が最も安く、保険料払込期間が短くなるほどに高くなります。入院給付金額は高く設定するほど保険料も高くなり、特約は数多く付加するほどに高くなります。

30歳女性で最小限の構成(終身払い・入院日額5000円・手術給付金アリ・先進医療アリ)にすると、保険料は月額1184円となります。これに女性総合疾病特約Ⅲ型(入院日額5000円)を付けると、保険料は月額1804円に上昇します。さらにⅡ型なら保険料は月額1909円、Ⅲ型なら保険料は月額2394円になります。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

女性保険(女性向け医療保険・出産保険など)の20歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・メディケア生命・はなさく生命・ニッセイプラス少短・アフラック少短・日本生命・太陽生命・SOMPOひまわり生命・アメリカンホーム保険・楽天生命・チューリッヒ生命・なないろ生命・ライフネット生命・オリックス生命・)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料を他社と比較すると平均か少し高い部類に入ります。この保険と似たような保障の他社の保険と比べると、アクサ・なないろ生命と同価格帯でSOMPOひまわり生命よりは安いという感じです。その一方で、オリックス生命・はなさく生命よりは保険料は間違いなく高いです。保険料以外でメリットがあるのか続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは女性総合疾病特約が保障する疾病の範囲が広い点が挙げられます。子宮・卵巣に関わる女性特有の病気には不妊症・月経不順等も含まれ、女性特有ではないものの女性に多い病気(バセドウ病・メニエール病等)も保障されます。さらに上皮内新生物を含むがん、妊娠・出産に関わる症状、女性に限らず身近な病気(狭心症・糖尿病等)も保障の対象です。

プレミアムZ Ladyで給付金上乗せの対象となる疾病(出典:チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ Lady 通信販売用パンフレット)

10年毎に受け取れる女性無事故給付金があるのもメリットでしょう。30歳女性でⅢ型・入院日額5000円なら特約分だけの保険料は月額1210円です。10年間に支払う保険料は合計14.5万円ですが、10年後に無事故給付金を5万円受け取れば特約分の保険料は実質30%OFFともいえます。

さらにⅢ型には特定不妊治療支援給付金・出産祝金があります。特定不妊治療支援給付金は体外受精・顕微授精をすると受け取れ、入院日額5000円なら10倍の5万円が受け取れます。出産祝金は出産をすると同じく10倍の5万円が受け取れ、回数も無制限となっています。第二子・第三子が生まれても5万円が受け取れ、前述の特約分の保険料より多い祝い金になる可能性もあります。

また、特定疾病保険料払込免除特約・先進医療患者申出療養特約・ストレス性疾病延長入院特約があるのも見逃せません。特定疾病保険料払込免除特約を付けると三大疾病になると保険料の支払いが免除され、先進医療患者申出療養特約を付けると全額自己負担となる先進医療・患者申出療養が2000万円まで保障されます。ストレス性疾病延長入院特約を付けるとうつ病等の精神疾患では1回の入院につき365日まで入院給付金が受け取れます。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは特約が多いため数を絞らないと保険料が高くなる点が挙げられます。用意されている特約は9つで女性総合疾病特約を除けば8つです。優先すべきは特定疾病保険料払込免除特約・先進医療患者申出療養特約ですが、ストレス性疾病延長入院特約も人によっては魅力的でしょう。昨今の入院日数の短期化を鑑みると、入院一時金・特定疾病一時金も検討に値するでしょう。どこかで踏ん切りをつけて保険料を抑える必要があります。

プレミアムZ Ladyのモデルプラン(出典:チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ Lady 通信販売用パンフレット)

また、女性総合疾病特約でも設定する項目が複数あります。主契約とは別に入院日額を3000~10000円の範囲で決める必要があり、かつ主契約よりも低い金額である必要があります。入院給付金の給付限度日数も30~120日の範囲で決める必要があり、他社のように選択の余地なく180日・無制限とはなりません。そして、保障内容をⅠ~Ⅲ型から決める必要があり、不妊治療給付金・出産祝金・無事故給付金は個別で付けられずセットになっています。

特約の保障内容では特定不妊治療支援給付金は1回限りというデメリットがあります。三井住友海上あいおい生命の医療保険Aセレクトなら不妊治療給付金は12回まで受け取れ、治療回数が多くなるほど給付金が増額されます。その点、出産祝金は回数無制限ですが、これも他社なら1人目は5万円、2人目は15万円と増額されるため見劣りします。また、他社には出産後の産後うつまで保障する保険もあります。

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評判・苦情

チューリッヒ生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は22.4万件で前年度の13.1万件から約71%の増加でした。入院保障の保険の保有契約高も前年度から増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は良いです。

ただ、契約数でいうと保険市場の女性保険の申込数ランキング2025(3月版)では、プレミアムZ Ladyはランキング外でした。とはいえ資料請求ランキング(全年代)では4位のため、申込数は他社に一歩及ばないものの多くの女性に検討はされているようです。保険市場で申し込んでいないだけとも考えられます。

女性保険人気ランキング・資料請求数(出典:保険市場公式HP「2025年3月版 人気の女性保険ランキング」)

その一方で生命保険協会の苦情数のデータでは、チューリッヒ生命全体に寄せられた苦情数は5660件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の134万件で割った苦情率は0.4%で、契約者1000人のうち4件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は少し悪いです。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店チャネル)」では、チューリッヒ生命は17社中10位でした。平均値より僅かに上とはいえ顧客満足度が高いとは言えない順位です。さらにダイレクト部門だと下から2番目の順位で、ネット申込の不便さが浮き彫りになっています。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP) JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 ダイレクト部門(出典:JDパワー公式HP)

それに対して「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」では、チューリッヒ生命は24社中2位とトップ3に入っています。この保険は女性向けの医療保険とも考えられるため評価は高いことになります。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、商品内容は1位で加入手続き・保険料・受取額と支払スピードは2位でした。しかし、アフターフォローは10位に沈んでおり大いに不安があります。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「診療明細書ではなく医師の診断書(有料)が必要」「公式HPが見にくく分かりにくい」「オペレーターに質問しても回答が得られなかった」「給付金を請求する申請書類を記入するのが面倒」等の意見がありました。顧客満足度の順位はトップクラスですが、少なからず不満はあるようです。

以上のデータから考えるとチューリッヒ生命の評判は普通そうですが、プレミアムZLadyの評判は良さそうです。チューリッヒ生命の評判については調査結果が両極端ですが、結果が著しく悪いのはダイレクト部門だけのためダイレクトではなければ普通か良いといえます。対面かネット系の代理店で申し込めストレスが緩和される可能性がありそうです。プレミアムZ Lady自体の評判は、契約数が伸びており資料請求数も多いため悪くないでしょう。

総合評価・おすすめか?

結論としては、プレミアムZLadyは悪くない保険です。デメリットもあるにはありますが、メリットの方が上回るでしょう。保障内容の選択には煩雑さがありますが、それよりは選択できる自由度の方が評価できます。保障内容のわりに保険料も抑え目なのもポイントです。

この保険以外の他社を保険を検討する人で保険料重視なら、はなさく生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。