日本生命 ちょこつみを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- 日本生命
- 名称:
- ちょこつみ
- 払込期間:
- 3年間
- 積立額:
- 3000円~
- 返戻率:
- 105.2%
- 特徴:
- まずは一歩踏み出そう、資産形成
ちょこつみは日本生命が2025年1月から募集・販売している積立保険です。日本生命の多くの保険は営業職員との対面か書類での契約ですが、この保険は同社の公式HPから直接申し込めます。
他社では明治安田生命・住友生命等にも積立保険がありますが、この保険は保険料を支払う期間が3年(他社は5年)と短いという特徴があります。それでは以下で保障内容・保険料・返戻率・評判等を解説し、他社の積立保険と比較していきます。
保障内容
この保険は保険期間10年のうち契約から3年間は保険料を毎月支払い、残りの7年間は保険料の支払いは不要です。7年間は日本生命が保険料を運用し、10年が経過すると満期保険金が受け取れます。10年が経過する前に解約しても解約返戻金が受け取れ、保険料を支払い終えてからの経過年数が長いほど解約返戻金の額は大きくなります。保険料を支払っている3年間のうちに解約しても、それまでに支払った保険料と同額の解約返戻金が受け取れます。
さらに保険に加入後に解約ではなく死亡しても元本割れはしません。解約した場合と同額の死亡保険金を遺族が受け取れ、災害・事故等によるケガで死亡した場合には1.1倍に増額されます。当然ながら、満期後(満期保険金を受け取り後)に死亡すると死亡保険金は受け取れません。
また、他の保険で生命保険料控除を利用していない人は、この保険に加入すると生命保険料控除により所得税・住民税が軽減されます。1年間の保険料の合計額が8万円以上なら、独身で年収300万円の人なら4800円、年収500万円の人なら6800円、年収700万円の人なら10800円が還付されます。
保険料・返戻率を他社と比較
この保険の保険料は3000円・5000円・1万円・2万円・3万円の五択の中から決められます。2026年現在の返戻率は10年後の満期時で105.2%で、返戻率には保険料の額も性別・年齢も無関係です。月1万円の積み立てなら3年間で積立金は36万円になり、満期保険金は37.9万円のため1.9万円の利益が出ます。
また、上図では経過年数が3年の返戻率が100%になっていますが、ちょうど契約から3年が経過した日であれば返戻率は101.0%となります。月1万円の保険料を3年間は遅滞無く支払い続ければ、保険料を支払い終えたと同時に解約しても解約返戻金は363700円となり利益が出ます。
次に返戻率は他社より高いのか低いのか、下図で他社の積立保険と一覧表で比較しました。返戻率は契約してから1年後・5年後に解約した場合と、10年後の満期まで継続した場合で比較しました。
ちょこつみの返戻率を他社と比較すると、10年後の返戻率は住友生命や明治安田生命等に劣ります。僅か1%の差ではありますが、月1万円の積みたてなら10年後には数千円の差になります。その一方で、ちょこつみの返戻率は契約から5年後であれば他社と比べてトップです。これは他社の保険の保険料払込期間が5年なのに対して、この保険は3年と短い点が影響しています。
前述したように、この保険は3年経過直後でも返戻率は101%のため、5年後ではなく3年後でも他社よりも返戻率は高いです。ただし、契約から3年経過するまで返戻率が100%に据え置かれるため、契約直後~3年経過する前までは住友生命の方が有利です。続けて、この保険に返戻率以外にメリットがあるのか記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは保険料払込期間が3年で元本保証である点が挙げられます。他の保険(個人年金保険など)の保険料払込期間の10~20年より短く、満期保険金が受け取れるのも10年後と早いです。さらに保険料払込期間中に解約しても損失が発生せず、契約しても絶対に損はしないという普通預金なみの安心感があります。もちろん普通預金よりも利益が出るのもメリットです。
他社の積立保険よりも保険料払込期間が3年と短いのもメリットです。他社の積立保険は5年ですが、この保険は3年で何らかの結果が出ます。前述したように契約から3~5年目までは返戻率が他社よりも有利なため、10年後の満期保険金ではなく3~5年後に資金が必要な人にも向いています。3~5年後の結婚資金や住宅ローンの頭金に使うといった具合です。
また、毎月の保険料は3万円まで設定できるのも見逃せません。他社の積立保険の上限は2万円前後が多いのですが、この保険は3万円まで設定できるため108万円まで積み立てられます。まとまった金額を短期間で積み立てたい人には大きなメリットでしょう。それも保険料は住友生命等と異なりクレジットカードでの支払いが可能で、クレジットカードのポイントも貯められます。
さらに生命保険料控除で税金が軽減されるのもメリットです。積立額が月1万円なら独身の年収500万円の人で約7000円の節税になり、年末調整(自営業なら確定申告)で税金が還付されます。保障面では死亡保険金が災害での死亡なら通常の1.1倍になるのもメリットでしょう。
ちなみに、この保険の契約はスマホで完結できる他、日本生命の営業職員を経由して契約することも可能です。仕事上の付き合いや同社の営業にアプローチされて契約せざるを得ない場合、この保険に加入して一旦は場を収めるという使い方ができます。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは加入できるのが18~49歳という点が挙げられます。他社では住友生命は69歳まで、明治安田生命は75歳まで加入できます。日本生命では20~30代向けに設計した商品のため止むを得ない感はありますが、50歳でも60歳の定年退職までに積み立てたいという人にはデメリットでしょう。
さらに保険料については3000円・5000円・1万円・2万円・3万円の五択になっています。住友生命のChakinなら1000円単位で保険料を自分で調整でき、無理がない範囲でギリギリの保険料を設定できます。五択の保険料だと人によっては保険料に過不足が生じ、将来の満期保険金も目標額に対して過不足する可能性があります。
また、保険料払込期間は3年で選択の余地はありません。保険料払込期間を5年にしたい人は他社の積立保険を選ぶ必要があります。また、返戻率はさておき元本保証で10年後の満期保険金を最大化したい場合、太陽生命の積立保険の方が適しています。この保険で3年間で保険料3万円を積み立てると満期保険金は113万円ですが、太陽生命なら5年間で保険料2.3万円を積み立てると満期保険金は145万円になります。
ちなみに公式プレスリリースに記載されている通り、この保険は若年層で今から資産形成にエントリーする人向けに開発した保険です。保険会社としては利益が薄いにも関わらず販売しているのは、将来的には日本生命の他の保険にも加入して欲しいという意図があります。そのため保険の加入後には同社の営業職員からメールや電話等で保険の勧誘をされる可能性が高いです。
評判・苦情
日本生命の2025年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は367万件で前年度の335万件から9.6%増でした。その中でちょこつみの新契約数は5.3万件でした。販売時期の関係で前年度の数字が分かりませんが、明治安田生命のじぶんの積立の新契約数は14万件であるため、契約数からすると評判は良くはありません。
また、生命保険協会の苦情数のデータでは住友生命全体に寄せられた苦情数は22989件(2025年度上半期実績)でした。総顧客数の1205万件で割った苦情率は0.19%で、契約者1000人のうち1.9件の苦情が発生している計算です。他の大手保険会社の苦情率は0.1~0.2%台のため、苦情面で考えると評判は普通です。
調査会社のJ.D.パワーの「2025年 生命保険契約満足度調査(保険営業職員部門)」でも、日本生命は13社中7位と中間の順位でした。同じく積立保険を販売している住友生命よりは下の順位ですが、太陽生命・明治安田生命よりは上の順位です。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、どの項目でも満足度は平均値に近いと考えられます。
その一方で「オリコン顧客満足度 生命保険ランキング2026」では、日本生命は28社中21位と下位に沈んでいました。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローです。項目別のランキングもありますが、アフターフォロー以外の項目は平均以下で満足度は低めでした。アフターフォローも平均を上回っているだけで10位以内には入っていません。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「コールセンターで手続きができず、結局は担当者に回される」「保険料が高い」「ネットで加入できる保険も対面契約を優先される」「更新すると保険料が一気に上昇した」等の意見がありました。対面契約時の不満が散見されましたが、この保険はネット加入のため過度な心配は不要でしょう。
保険そのものについては、同じオリコンに「2026年 専門家が選んだ積立保険ランキング」があります。40人のFP(ファイナンシャルプランナー)が選んだランキングで、ちょこつみは4社中3位でした。積立プランで2位でしたが、返戻率・商品の独自性では3位と中途半端な順位でした。そのため専門家からの評判は普通と考えられます。
以上のデータから考えると、日本生命の評判もちょこつみの評判も普通か少し悪そうです。日本生命の評判はオリコンの調査では不安がありますが、他の調査や契約数・苦情数からは普通に近いと考えられます。ちょこつみについては契約数が他社よりも少なめで、専門家からの評価も高くはないため、少なくとも評判が良いとはいえません。
総合評価・おすすめか?
結論としては、日本生命のちょこつみは微妙な保険です。メリットもありますが、類似の他社の保険と比べるとメリットが弱いからです。とはいえ保険料払込期間が3年と短い貴重な保険のため、人によっては唯一無二の保険となる可能性もあります。
他社の保険も検討したい人で、満期時の返戻率を最も重視するなら、明治安田生命じぶんの積立が候補になります。保険料を支払っている最中の解約が気になる人は、保険料払込期間中の解約でも返戻率が100%を越える住友生命のChakinを検討すると良いでしょう。