ワンデーサポーターを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- あいおいニッセイ同和損保
- 名称:
- ワンデーサポーター
- 補償内容:
- 自動車事故
- 補償期間:
- 24時間
- 保険料:
- 800円~
- 特徴:
- 24時間単位で加入いただける自動車保険です
ワンデーサポーター(24時間単位型自動車保険)は、あいおいニッセイ同和損保が2015年10月から募集・販売している自動車保険です。販売開始から10年以上が経過していますが、その間に保険料の改定やプランの追加・変更がされています。
それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の短期自動車保険(1日自動車保険)と比較していきます。
補償内容・特約
この保険にはエコノミープラン・ベーシックプラン・ワイドプランの3つがあります。販売開始当初はエコノミープランはありませんでしたが、現在はベーシックプランより保険料が安く補償内容が少し劣ったエコノミープランがあります。そのエコノミープランは自動車事故で他人を傷つけた場合の対人賠償、他人の物を壊した場合の対物賠償が無制限で補償されます。ただ、対物賠償には5万円の自己負担額(免責金額)があります。
さらに事故で自動車に乗っている人が死亡・ケガをした場合の搭乗者傷害特約、自損事故で死亡・ケガをした場合の自損事故傷害特約も付いています。緊急時サービス費用保険(ロードアシスタンス)も付いており、借りた自動車が事故・故障で走行不能となった場合には、応急処置費用の補償や修理工場等までのレッカー搬送してくれます。
ベーシックプランもエコノミープランと基本的な補償内容は同じですが、対物賠償の自己負担額5万円がありません。そのため自動車運転中に他人の物を壊した場合に、損害額が5万円以内なら保険金は出ず、損害額が5万円を超えたとしても5万円は自分で負担することになります。
ワイドプランだとベーシックプランの補償に車両復旧費用保険が付いています。自動車の運転中に自動車が損壊した場合に、修理費もしくは自動車の買換え費用として1回の事故につき300万円を限度に保険金が受け取れます。15万円の自己負担額があるため、小さい擦り傷程度だと保険金は出ません。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は選択したプラン・利用回数(2回目以降か)・指定被保険者の有無によって異なります。保険料が最も安いエコノミープランの保険料は24時間で800円ですが、2回目以降は770円に安くなります。ベーシックプランの保険料も1000円から2回目以降は960円に安くなり、ワイドプランの保険料も2500円から2回目以降は2400円に安くなります。
指定被保険者の有無は自分以外に運転するか否かを示しています。最大3名まで指定でき、指定被保険者を設定すると保険料が1.4倍になります。人数が何人でも1.4倍で、2回目以降の保険料も安くなった保険料から1.4倍になります。例えばエコノミープランで2回目以降なら770円ですが、指定被保険者を設定すると1.4倍の1080円になります。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の短期自動車保険(1日だけ自動車保険)と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。
この保険の保険料を他社と比較すると、エコノミープランだと他社と横並びのため保険料は高くも安くもありません。ただ、2回目以降の利用なら保険料は770円になるため他社と比較して最安値となります。ただ、前述したように対物賠償に自己負担額5万円があるため、その分だけ保険料が安いともいえます。
スタンダードプランも他社よりも保険料が安く見えますが、他社と異なり車両補償が無い分だけ安いともいえます。プレミアムプランは保険料は他社と比べて平凡で、保険料は高くも安くもありません。補償面で差はあれどプランによっては保険料が安いのは間違いありませんが、保険料以外にメリットがあるのか続けて記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは2回目以降は割引がある点が挙げられます。他社の保険では同じMS&ADグループの三井住友海上にも2回目以降の割引がありますが、その他の保険では2回目以降の割引がありません。複数回の利用が見込める人で保険料を重視するなら、この保険が最適といえるでしょう。
さらに指定被保険者の有無についても地味に保険料が安くなっています。他社の保険でいえば東京海上・損保ジャパンで同様の特約を付けると保険料は1.5倍になります。この保険では指定被保険者を追加しても、保険料の増加幅は1.4倍のため他社よりも安いです。
保険料については支払方法が携帯料金と合算となっているのも見逃せません。他社の保険の多くがクレジットカード払いのみか、コンビニ等の店頭で保険料を支払う形式を取っています。この保険なら携帯料金と合算となるためクレジットカード情報を入力する手間や、店頭まで行く手間を省けます。
さらにワンデーサポーターではなく1年単位の通常の自動車保険に加入する場合、ワンデーサポーターの利用回数と無事故での利用回数に応じて、通常の自動車保険の保険料が割引されます。20回以上の利用で無事故となれば、保険料は20%も割引されます。
ちなみにワンサポ無事故割引は、あいおいニッセイ同和損保が指定したカーシェアリング会社での利用も含まれています。現在は指定されているのがタイムズモビリティのみですが、タイムズのカーシェアを利用している人がカーシェアを卒業して自動車を購入する場合、それまでの無事故の恩恵として保険料が安くなります。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずはエコノミープランの対物賠償保険に5万円の自己負担額がある点が挙げられます。。エコノミープランは保険料が770円(2回目以降)のため他社と比べて最安値ですが、他社の保険料が800円のプランには対物賠償に自己負担額がありません。そのため30円を節約したものの事故の対物賠償で5万円を支払う、という無意味な節約になる可能性があります。
それでも見かけの保険料が2回目以降なら安いのは間違いありませんが、利用時間が24時間ではなく12時間だと話しは別です。損保ジャパンの乗るピタ!なら12時間利用で保険料は650円で、この保険の770円より安いです。朝出発して夕方には帰宅するような使い方なら損保ジャパンの方が安く済みます。
スタンダードプランも前述したように他社と比べて保険料は安いのですが、既述した通り車両補償が無い分だけ保険料が安いだけです。この保険はプレミアムプランのみ車両補償が付いており保険料は2500円ですが、東京海上ならスタンダードプランに車両補償が付いており保険料は1800円と安いです。
さらに、初めての加入で利用開始日が登録日から7日以内の場合はワイドプランに加入できません。2回目以降は問題ありませんが、ワイドプランに加入するには初めての利用なら8日前に登録する必要があります。その点、東京海上の保険ならLINEで申し込みをすれば、直前の登録でもプレミアムプランに加入できます。
ちなみに申込はドコモ・au・ソフトバンクの3社のスマートフォンで契約できる点に注意が必要です。他キャリア(MVNO・格安simなど)だと保険料を携帯料金合算払いができないため保険を契約できません。また、保険料の支払方法は携帯料金合算払いだけでクレジットカード払いができない点にも注意が必要です。
評判・苦情・口コミ
あいおいニッセイ同和損保の2024年度の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は前年度の1.36兆円から1.43兆円になり4%増と好調でした。その中で自動車保険の正味収入保険料も8310億円で前年度の8122億円から2%増のため契約数から考えると評判は悪くありません。
さらに、契約数でいうと保険比較サイトのライフィの「ドライバー保険・1日自動車保険人気ランキング2025」では、あいおいニッセイのワンデーサポーターは4社中で2位でした。1位の東京海上には及びませんでしたが、一定の人気があるのは間違いありません。
また、日本損害保険協会の苦情数のデータでは、あいおいニッセイ同和損保全体に寄せられた苦情数は25872件(2024年度累計)でした。苦情の中身は「保険金支払」が最多で保険金の支払い遅れの苦情が多かったようです。次いで「保険の契約・募集等」の苦情が多く、契約時の説明不足等への苦情が多かったようです。
ドライバー保険(1日自動車保険)ではなく、スタンダードな自動車保険が対象ですが、オリコンの自動車保険 総合ランキング2025 代理店型ではあいおいニッセイ同和損保は5位でした。損保ジャパン(7位)よりは順位が上でしたが、東京海上(3位)・三井住友海上(4位)よりも順位が下でした。項目別のランキングでもロードサービスで4位以外は下位だったため、1日自動車保険でも同様の対応と考えると若干の不安があります。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「担当者が変わって不便になった」「事故対応の経過報告のメールに不備がある」「事故の過失割合が納得できない」「保険料が高くなった」等の意見がありました。不満が何かに集中はしておらず満遍なく見受けられる印象です。
以上のデータから考えると、あいおいニッセイ同和損保の評判もワンデーサポーターの評判も悪くなさそうです。あいおいニッセイの評判については契約数は堅調で苦情も他社よりは多くはなく、顧客満足度も低くはないため評判は悪くないでしょう。ワンデーサポーターも保険比較サイトでの申し込み数が上位で、ロードサービスの満足度も低くないため事故・故障時の大きな不安はありません。
総合評価・おすすめか?
結論としては、ワンデーサポーターは微妙な保険です。保険料面でメリットはありますが、相応のデメリットや注意点もあるからです。さらに保険料でいえば12時間以内の利用なら、損保ジャパンを検討しても良いかもしれません。
その他に他社の保険も検討したい人で、バランスの良さなら東京海上のちょいのり保険が候補になります。また、今後も継続的に利用する人なら、ポイントが貯まるドコモの1日自動車保険・PayPayほけんの「あんしんドライブ」あたりも検討しても良いかもしれません。