あんしんドライブを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- PayPayほけん(損保ジャパン)
- 名称:
- あんしんドライブ
- 補償内容:
- 自動車事故
- 補償期間:
- 12時間・24時間
- 保険料:
- 12時間650円~
- 特徴:
- 対人・対物無制限の1日自動車保険
あんしんドライブ(1日自動車保険)は、PayPayほけんが2021年12月から販売している自動車保険です。PayPayほけんのサービス開始が2021年12月のため、サービス開始と同時に販売していることになります。
また、保険の引受会社は損保ジャパンであり、補償やロードサービス等は同社が担っています。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の短期自動車保険(1日自動車保険)と比較していきます。
補償内容・特約
この保険にはお手軽プラン・基本プラン・安心プランの3つがあります。お手軽プランは自動車事故で他人を傷つけた場合(対人賠償)と、他人の物を壊した場合(対物賠償)に金額が無制限で補償されます。事故で自動車に乗っている人が死亡・ケガをすると補償される搭乗者傷害特約、自損事故で死亡・ケガをすると補償される自損事故傷害特約も付いています。
さらにロードアシスタンス特約も付いています。借りた自動車が事故・故障で走行不能となった場合には修理工場等までのレッカー搬送してくれます。バッテリー上がりといった軽い故障なら現場で応急処置をしてくれます。ロードサービスはPayPayほけんではなく損保ジャパンが提供しており、全国で約5700ヶ所の拠点から24時間365日かけつけてくれます。
基本プランだと借用自動車の車両復旧費用特約が付いています。自動車同士の事故・飛来物や落下物との衝突・火災や台風等で自動車が損壊すると、修理費もしくは自動車の買換え費用として1回につき300万円を限度に保険金が受け取れます。15万円の自己負担額があるため、小さい擦り傷程度だと保険金は出ません。
安心プランだと車両復旧費用特約の対象となる事故に自損事故(単独事故)が追加されます。基本プランと同じく保険金は最高300万円までで、自己負担額の15万円も据え置きです。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は選択したプラン・利用時間・臨時被保険者に関する特約の有無によって異なります。お手軽プランの保険料は24時間で800円で、利用時間を12時間にすると650円です。基本プランの保険料は24時間で2700円(12時間で2150円)、安心プランの保険料は24時間で3500円(12時間で2800円)です。臨時被保険者に関する特約は自分以外の運転する人にも保険が適用される特約で、特約を付けると保険料が約1.5倍になります。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の短期自動車保険(1日だけ自動車保険)と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。
この保険の保険料を他社と比較すると、シンプルプランだと他社と横並びのため保険料は高くも安くもありません。ただ、保険料に対して1%分のPayPayポイントが貯まるため、ポイント分で他社よりも僅かに得です。さらに利用時間を12時間にすると保険料は650円になるため他社と比較して最安値となります。
その一方でスタンダードプラン・プレミアムプランだと、保険料は他社よりも1000円近く高くなっています。あいおい・三井住友海上のスタンダードプランには車両補償が無いからです。同じく車両補償がある東京海上よりも保険料は安いため、車両補償がある保険の中では保険料は安いです。
メリット
この保険のメリットは、まずは12時間が選択できる点が挙げられます。他社の保険は利用時間が24時間のプランだけのため、朝出発して夕方に帰宅する場合等は12時間分が無駄になります。この保険なら利用時間が12時間なら他社と比較して保険料は最安値となります。さらに臨時被保険者に関する特約も利用時間を12時間に設定できるため、複数人で運転する場合も12時間利用なら保険料は最安値です。
上述のメリットについては損保ジャパンの乗るピタ!も共通ですが、PayPayほけんの基本プランには車両補償が付いている点で異なります。対象となる事故は自損事故(単独事故)以外の自動車同士の事故・飛来物等との衝突・火災や台風等に限定されていますが、それでも車両補償がある保険の中では最安値です。同じく中間プランに車両補償がある東京海上よりも保険料は100円安いです。
さらにPayPayほけんならPayPayポイントが貯まる点でも異なります。お手軽プランは24時間利用なら他社と横並びの保険料ですが、PayPayポイントを加味すれば他社よりも僅かに安いです。保険料の支払いはPayPayの他にPayPayクレジット・貯まっているPayPayポイントでも可能です。
ちなみに保険の申し込みがPayPayアプリからできるのもメリットでしょう。PayPayに登録されている情報を利用するため、氏名・住所・生年月日といった情報の入力が省けて最小限の入力の手間で済みます。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずはプレミアムプランに少し割高感がある点が挙げられます。この保険と保険料が同じ損保ジャパンの乗るピタ!のプレミアムプランなら、車両補償の自己負担が15万円から10万円に引き下げられ代車費用特約も付いています。この保険はプレミアムにしても車両補償の対象事故が広がるだけです。
保険料についてもプレミアムプランは、東京海上のちょいのり保険と比べて保険料が100円高いです。それでもPayPayほけんには1%分のポイントがあるため差は70円程度とも考えられますが、ドコモのワンタイム自動車保険なら同じく保険料に1%分のポイントが付きます。保険料をd払いにすれば保険料の2%分のdポイントが付くため、ポイントを加味してもドコモの方が安いです。
補償面でいうとレギュラープランの車両補償の対象となる事故が限定されている点に注意が必要です。保険料は車両補償ありの保険の中では安いのですが、補償される事故が自動車同士の衝突・動物との接触・火災や台風による損壊に限定されています。それ以外の自損事故や単独事故で自動車が損壊しても補償されません。
評判・苦情・口コミ
PayPayほけんのプレスリリースによると、2021年12月のサービス開始から僅か4年でPayPayほけんの累計加入件数は1000万件を突破しました。2023年末の500万件から僅か2年で倍増しており、契約数からすると評判は良いと考えられます。
その中で「あんしんドライブ」もサービス開始から僅か10ヶ月で累計加入件数が25万件を突破し、その5ヵ月後の2023年2月段階で累計加入件数は50万件を突破しました。あんしんドライブについても契約数からすると評判は良さそうです。
ただ、保険比較サイトのライフィの「ドライバー保険・1日自動車保険人気ランキング2025」では、あんしんドライブはランク外(損保ジャパンの乗るピタ!は3位)でした。まだ知名度で他の大手の保険に及んでいない可能性はありそうです。
また、この保険の顧客対応・事故対応は損保ジャパンのため、損保ジャパンの評判も確認する必要があります。ドライバー保険(1日自動車保険)ではなく、スタンダードな自動車保険が対象ですが、オリコンの自動車保険 総合ランキング2025(代理店型)では損保ジャパンは7位でした。項目別のランキングでも全ての項目が6~7位と満足度は低めでした。1日自動車保険でも同様の顧客対応・事故対応と考えると不安があります。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「事故からの解決が遅く担当者の説明も分かりにくい」「自分の方が過失割合が高いのが納得できない」「交渉力が無く相手の言い分を聞きすぎ」「サービス利用時の説明が足らない」等の意見がありました。事故対応についての不満が多く見られ、順位通りといえば順位通りの顧客満足度といえます。
以上のデータから考えるとPayPayほけんの評判は良さそうですが、あんしんドライブの評判には少し不安があります。PayPayほけんの評判については契約数だけでの判断ですが、とりあえず右肩上がりで増加しているうちは評判が悪いとはいえないでしょう。あんしんドライブも契約数は堅調ですが、事故対応・ロードサービス等を担当する損保ジャパンの評判から考えてサービス面で不安がありそうです。
総合評価・おすすめか?
結論としては、あんしんドライブは悪くない保険です。デメリットや注意点があり評判面でも一抹の不安はありますが、それを差し置いても保険料や車両補償でのメリットの方が大きいです。特に12時間以内の利用でPayPayを普段から利用している人ならオススメの保険といえそうです。
その一方で他社の保険も検討したい人で、保険料の安さを重視するなら三井住友海上の自動車保険を検討した方が良いでしょう。今後も継続的に利用する人なら、ポイントが貯まるドコモの1日自動車保険あたりも検討しても良いかもしれません。