楽天損保の自動車保険の自転車特約を比較・評価

楽天損保の自動車保険
オススメ度:
3
保険会社:
楽天損害保険
名称:
ドライブアシスト
自転車特約:
ファミリー自転車傷害特約等
個人賠償:
無制限
示談交渉:
あり
特徴:
安心、お得、簡単

楽天損保の自動車保険「ドライブアシスト」では、ファミリー自転車傷害特約・個人賠償責任補償特約・弁護士費用等補償特約などを組み合わせて自転車事故に備えられます。さらに基本保障の人身傷害保険に人身傷害車外危険補償特約を付けることでも、自動車と自転車の事故によるケガに備えられます。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自動車保険の自転車向け特約と比較していきます。

補償内容・特約

楽天損保のドライブアシストにファミリー自転車傷害特約を付けると、自分や家族が自転車事故で死亡・後遺障害・入院すると保険金が受け取れます。死亡・後遺障害になると最高300万円の保険金、ケガで入院をすると入院1日につき3000円の入院保険金が受け取れます。入院が10日以上になると受け取れる入院一時金(10万円)もあります。

楽天損保の自動車保険の特約一覧と補償内容(出典:楽天損保「ドライブアシスト」 商品パンフレット2025年1月改定版)

さらに個人賠償責任補償特約を付けると、自転車事故で加害者となった場合に被害者からの損害賠償額が補償されます。国内での事故なら金額は無制限で補償され、海外での事故でも1億円を限度に補償されます。自動車事故弁護士費用等補償特約も付けると、もらい事故などで保険会社が示談交渉できない場合に弁護士に依頼する料金が補償されます。例えば自転車に乗っていてクルマに追突された場合などで、弁護士への依頼料等が300万円まで補償されます。

また、人身傷害保険に人身傷害車外危険補償特約を付けると、保険を契約したクルマ以外で起きた事故でケガをしても人身傷害保険が適用されます。自転車に乗っている時や歩行中に他人のクルマと接触してケガをしても保険金が受け取れます。相手がクルマだった場合のみ補償される点でファミリー自転車傷害特約と異なります。人身傷害保険は保険金額を3000万~無制限まで設定できます。

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保険料を他社と比較

楽天損保の自動車保険に自転車向け特約(ファミリー自転車傷害特約・個人賠償責任補償特約・自動車事故弁護士費用等補償特約・人身傷害車外危険補償特約)を付けると、30歳男性・6等級・アクア・日常レジャー・走行距離9000km以下の人は保険料が年間で約8000円の上昇となります。

これらの特約の中で自動車事故弁護士費用等補償特約の保険料が約3200円と最も高いです。その他の保険料はファミリー自転車傷害特約が約1700円、個人賠償責任特約は約1200円、人身傷害車外危険補償特約は約1600円と似たような金額になっています。自動車事故弁護士費用等補償特約を付けるか否かで保険料が大きく異なります。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の自動車保険(+自転車特約)と一覧表で比較しました。自転車向け特約を付けることで上昇する保険料で比較し、さらに自動車保険トータルの保険料で比較しました。保険料は30歳男性(40歳男性)・6等級・アクア・日常レジャー・走行距離9000km以下で算出しました。

自動車保険に自転車特約を付けた時の保険料の比較一覧表(ソニー損保・アクサダイレクト・三井住友海上・三井ダイレクト・チューリッヒ保険・東京海上日動火災・東京海上ダイレクト・損保ジャパン・損保ダイレクト・楽天損保・SBI損保・共栄火災・JA共済・こくみん共済coop)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の特約分の保険料は他社と比べて安いため、既に契約済みの人が特約を付けても大幅な負担増にはなりません。自転車向け特約を付けた自動車保険トータルの保険料も安めですが、最安値のチューリッヒのネット専用保険とは2万円近い差があります。保険料以外にメリットがあるのか続けて記述していきます。

メリット

楽天損保の自動車保険の自転車向けの特約の中では、まずは楽天ダイヤモンド会員ならインターネット割引が30%になる点が挙げられます。前述した保険料でも25%のインターネット割引が適用されていますが、ダイヤモンド会員なら保険料が一段と安くなります。それでもチューリッヒネット専用自動車保険の保険料には及びませんが、横並びに近かったダイレクト型の自動車保険の中では頭一つ抜け出します。

それもインターネット割引は継続契約でも適用されるのも大きなメリットです。さすがに2年目以降はダイヤモンド会員でも25%割引になりますが、他社のように2年目・3年目と割引率が下がりません。例えばチューリッヒのスーパー自動車保険は1年目こそ楽天損保と保険料は同額に近いのですが、2年目は最大5000円割引、3年目には一律1500円の割引まで縮小されます。そのため2年目以降を考えれば楽天損保の方が保険料は安いといえます。

さらに保険料の支払いを楽天カードにすることで、保険料に対して3%分の楽天ポイントが付きます。楽天カード決済でなくても2%分のポイントが貯まり、楽天カード決済なら1%分のポイントが加算されます。保険料が5万円なら楽天ポイントは1500ポイント貯まります。楽天ポイントを翌年の自動車保険に充てられるため、保険料は見かけ以上に安くなります。

ドライブアシストで貯まる楽天ポイント(出典:楽天損保公式HP「楽天自動車保険」)

補償面ではファミリー自転車傷害特約があるのがメリットです。人身傷害保険では補償されない自転車と自転車の事故、自転車の単独事故でケガをしても補償されます。さらに入院の補償が他社よりも手厚い点も見逃せません。他社の自転車向けの特約では5日以上の入院となった場合のみ、保険金が1回だけ受け取れるケースが多いです。楽天損保なら入院1日あたり3000円が受け取れるため、短期入院でも長期入院でも保険金が受け取れます。

デメリット・弱点・落とし穴

楽天損保の自動車保険で自転車向け特約を付けるデメリットとしては、まずは自転車事故補償特約のケガの補償が薄い点が挙げられます。入院日数に応じて保険金が受け取れますが、日額3000円のため治療費に足りるかは疑問符が付きます。その点、本家の自転車保険なら入院日額は5000~1万円が多く、通院でも保険金が受け取れます。それでも保険料は月額300~500円(年間4000~6000円程度)で済みます。

楽天損保の自動車保険の特約一覧と補償内容(出典:楽天損保「ドライブアシスト」 商品パンフレット2025年1月改定版)

また、弁護士特約が自動車事故に限定されている点もデメリットです。他社の弁護士特約は自動車事故以外に日常生活全般で弁護士特約が利用できるため、自転車と自転車の事故や自転車と歩行者の事故でも弁護士に依頼できます。楽天損保の自動車保険に弁護士特約を付けても、これらの事故・トラブルでは弁護士特約は利用できません。

車内外身の回り品補償特約があるものの自転車が補償の対象外である点にも注意が必要です。他社では自転車をクルマに積んで事故で破損すると補償される保険があります。クルマに自転車を積んでサイクリングに行く人は、車内外身の回り品補償特約を付けても無駄になります。

ちなみに詳細は後述しますが、評判面で一抹の不安があるのもデメリットです。事故対応の満足度が他社よりも低いため、個人賠償責任補償特約で示談交渉を依頼できたとしても、交渉の過程や示談の結果については期待はずれに終わる可能性があります。

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評判・苦情・口コミ

楽天損保の2024年度の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は前年度の231億円から263億円になり13%増と好調でした。その中で自動車保険も128億円で前年比で12%増だったため、契約数から考えると自動車保険の評判は良さそうです。

さらに契約数でいうと、保険市場の「人気の自動車保険ランキング2025年11月版(申し込み数)」では楽天損保は4位でした。比較サイト経由での申し込みでも一定の人気があるのは間違いありません。その一方で価格.comの「自動車保険の満足度ランキング2025」では、楽天損保は総合部門で10位以下でした。保険料部門では8位に入っていましたが、補償内容・顧客対応・事故対応部門では10位以下のため満足度が低いのが分かります。

保険市場の人気の自動車保険ランキング2025年11月版(申し込み数)(出典:保険市場公式HP「自動車保険おすすめ人気ランキング」)

オリコンの自動車保険 顧客満足度ランキング2025(ダイレクト型)でも、楽天損保は9社中で8位でした。この調査では加入更新手続き・商品内容・保険料・事故対応等の評価項目毎の順位もありますが、どの項目も7~8位と厳しい結果になっていました。保険料部門でも上位に入ってないあたり、人によっては補償内容のわりに保険料は安くないと考える人がいるのかもしれません。

楽天損保のオリコン自動車保険ランキング2025の順位と各項目の評価(出典:オリコン公式HP「楽天損保の自動車保険の評判・口コミ」)

さらに同じオリコンのファイナンシャルプランナー(FP)評価でも、楽天損保は同様に9社中で8位でした。専門家からの評価も低く、商品内容で9位、保険料で8位、ロードサービスで9位と残念な結果になっています。商品内容・ロードサービスでセコム損保を下回る最下位と非常に不安があります。

自動車保険 ダイレクト型(FP評価) 総合ランキング(出典:オリコン公式HP「おすすめの自動車保険ランキング・比較」)

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「示談交渉の経過報告が少ない」「交渉が長引いた」「担当者の対応が雑だった」「調査に時間がかかり過ぎ」「電話のオペレーターが明らかに経験不足」等の意見がありました。事故対応から顧客対応まで満遍なく不満が見受けられました。

以上のデータから考えると、楽天損保の自動車保険の評判は少し悪そうです。契約数・申し込み数は伸びており一定の人気はあるものの、各種調査での顧客満足度は下位だからです。あくまで評判については自動車保険本体の話しではありますが、自転車事故向けの特約を付けるにしても一抹の不安があります。

総合評価・おすすめか?

結論としては、楽天損保の自動車保険に自転車向け特約を付けるのは悪くありません。補償内容は自転車保険ほどではないものの手厚めで、保険料も楽天ポイントを加味すれば安めだからです。とはいえ評判面では一抹の不安があるため、評判を重視する人は他社の保険を検討した方が良いでしょう。

他社の自動車保険を検討したい人は、保険料を重視するならチューリッヒのスーパー自動車保険、補償内容なら東京海上日動の自動車保険あたりが候補になります。また、自動車保険とは別に自転車保険に加入するなら、au損保のバイクルや三井住友海上のネットde保険@さいくるを検討すると良いでしょう。